この記事は1998年12月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

東西タクシー事情

 

MEITETSU HAWAII INC.

吉田雅雄社長(右)とハワイのタクシードライバー

【ハワイ】

10年前の中古から新車のリムジンまで

主に個人観光客の足として活躍するハワイの豪華な大型タクシー

 世界的な観光地のハワイには、州人口(約120万人)の6倍の観光客が1年間に訪れています。

 ハワイのタクシーは日本ほど一般庶民の足とはなっていません。その理由は2つあります。ひとつは、日本の大都市のように「流しのタクシー」があまりなく、ホテルやショッピングセンターなど決められた乗り場から乗るか、電話をかけて呼ぶしかありません。もうひとつは、ハワイには鉄道がなく、郊外からはほとんどの人がマイカーで通勤ですし、ワイキキ近郊の人は、唯一の公共交通機関であるザ・バス(距離に関係なく1回大人1ドル、65歳以上のシニアは2年間で20ドル)を利用することが多いからです。

 タクシーの利用者は主に観光客で、とりわけ個人客の多いメインランド(米国本土)からの人たちの足に、もっぱらなっているようです。

 ハワイでは、タクシーの営業許可が比較的入手しやすく、ワイキキのあるオアフ島にはシダ・オブ・ハワイ、アロハ・ステート・キャブ、アルファ・タクシーなど実に約50社が登録し、数千台のタクシーが街を走っています。

 車体の色はさまざまで、10年前の中古のアメ車から新車のリムジンまで、文字通りピンからキリまであります。

 基本料金は、初乗り0・6マイル(960メートル)まで2ドル。以後、200メートルごとに25セント加算されます。タクシー会社や車種をよく知っているデラックス・ホテルから利用するのが、賢い利用法かもしれません。ちなみにホノルル空港から高層ホテルが林立し、白砂のビーチが続くワイキキまでは、所要時間25分で約25ドル。10〜15%のチップがサービスに応じて必要になります。

 時間的に余裕がある観光客は、ザ・バスやワイキキ・トロリー、ショッピング・シャトルバスなど目的に応じて、いろいろな乗り物を選ぶことができます。

 ユニークなのが「ハンディ・バン」と呼ばれる車イス使用者専用のタクシー・サービスです。ハンディキャップのある人や高齢者に広く利用されており、ハワイで現在、83台が活躍しています。

 大きな荷物がある時や急いでいる時、レストランやコンサートななど、決められた時間に間に合わせるためには、やはり「タクシー」が最適のようです。