この記事は2001年3月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

東西タクシー事情

U.S.C.トラベルホーチミンゼネラルディレクター
金子 靖さん
【ベトナム社会主義共和国・ホーチミン市】

ベトナム流運転と巨額紙幣に慣れて、タクシーを乗りこなそう!


▲ホーチミン市内のタクシー

 初めてホーチミン市を訪れた5年前、驚いたことが一つ。何とタクシーがメーター制で、おまけに無線まで搭載していたんです。

 当時駐在していた大都市のバンコック(タイ)でさえ乗車前には汗びっしょりで料金交渉するのにです。しかもドライバー氏は英語もペラペラ。

 ベトナムのタクシーは主に外国人が利用するので、現地ではかなりランクの高い職業なんですね。だから競争も激しく、ライセンス取得も厳しいとか。

 ホーチミン市へ駐在員として赴任してからも、交通機関はもっぱらタクシー。手を挙げればどこでも止まってくれますから大助かり。中には職務に忠実なあまり、反対車線からいきなりUターン、思わずハラハラしますけど。ベトナム流運転術、これは慣れるしかありませんね。

 何しろ市内の道路は乗り物の洪水。一つの車線をシクロ(3輪自転車)、自転車、バイク、車という速度の異なる乗り物が渾然一体となって流れるわけです。バイクなどはミラーが邪魔なので外してありますから後などは振り向きもしません。 信号機の故障は日常茶飯事、交差点は先に突っ込んだもの勝ち。初めての日本人旅行者なら仰天されるかもしれません。でも不思議と現地の人々はごく自然に受け入れているんです。逆に日本流に運転して、道を譲ったりすると、全体の流れを止めてしまうので返って危険なんですね。

 さて交通事情に慣れたら、お次は金銭感覚に慣れることをお勧めします。ベトナムドンはとにかく桁が大きい。初めてのタクシー体験では、初乗り料金が5000ドンでした。日本円なら41円ほどなんですけどね。5万ドン札(約416円)、10万ドン札(約832円)まで出回っているのですから、感覚をつかむのが大変。大雑把にゼロを二つとって日本円と考えればほぼOKですが。 

 最近はタクシー料金が一気に値上がりし、1万2000ドン(約100円)になりました(平成13年1月現在)。ちなみにそのお金があればベトナム風仕出し弁当など立派な?昼食が食べられるほど。それでも大きなタクシー会社は電話すると無線を駆使して、5分以内に駆けつけてくれますから文句は言えません。

 また社会主義のお国柄か、女性ドライバーが多いのも特色でしょうか。ただ最近はタクシーの急増で、道を知らないドライバーが増えたのが困りもの。最後は目的地を紙に書いて説明します。ベトナム語はローマ字表記なので、確実に通じますからご安心を。

(ベトナムのタクシー料金)
メーター制で初乗り料金は12000ドン。(1円がおよそ120ドン)。メーター横には下三桁のゼロが貼り付けてあり、メーターで加算されるのは4桁以上の数字のみ。12ドンだと思わないように!