この記事は2001年6月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

小型貸切バス&ジャンボタクシーで行く

ジャンボ1日ドライブ!

化石と鉱物の宝庫を
訪ね、太古のロマンの
魅力と、さわやかな
恵那峡の初夏を満喫!!

 地球が誕生しておよそ46億年。仮に地球の年齢を1年に縮めると、人間が出現したのは何と大みそかの夜11時47分! わずか13分の歴史に過ぎません。人類以前の気の遠くなる時間の中では、一体どんなドラマが繰り広げられていたのか。その手がかりに触れようと、化石の宝庫・瑞浪市から恵那周辺へ。もちろん、目を洗う新緑や地ビールも楽しめるジャンボタクシーならではのドライブです。
化石博物館で太古の謎解きを

 まずは瑞浪市化石博物館へ。中央自動車道瑞浪インター出口の表示板からわずか5分で到着です。新緑も鮮やかな丘陵地。付近一帯は1700万年前の地層におおわれていて、今までに1200種類を超す化石が見つかっています。日本どころか世界でも有名な化石の宝庫なんですね。

 びっくりするのは貝類の化石が多いこと。つまり大昔、瑞浪は海の底だったというわけです。実際、博物館の横に掘られた地下壕の天井にはカガミガイやハマグリなど貝化石が露出しているから、信じないわけにはいきません。館内はもっとすごい。真珠の化石や歯クジラの頭骨を始め、哺乳類デスモスチルスの化石など珍しい展示がいっぱい。太古の物語にひたるにはうってつけの施設です。

 この物語をもっと遡りたいなら、博物館から歩いて5分の「地球回廊」がおすすめ。ここは全長240?の地下壕ミュージアム。真夏でも15度という涼しいトンネル内は、地球の誕生から恐竜時代、人類の出現まで、ハイビジョンや模型で紹介しています。

 と、ここまで古代の歴史が解明されたのもほかならぬ科学技術の発達のおかげ。そこで隣接のサイエンスワールドにも立ち寄りました。ここは先端科学を気軽に体験できる科学館。パソコンで紙飛行機を作ったり、細胞やDNAを抽出したりと実験教室が目白押し。週末や夏休みは子供たちで大盛況とか。



新緑の恵那峡と石造りの別世界を堪能

 瑞浪からは国道19号線を北上、恵那市から広域農道を走って蛭川村へ。お目当ては「博石館」ですが、途中の恵那峡をはずすわけにはいきません。

 70数年前、木曽川の治水のために造られたのが大井ダム。それまでの激しい流れが削り取った岸壁の険しさと、ダムでせき止められた静かな水面が好対照。その景観に新緑と初夏の日差しが加わって価千金、見飽きることがありません。

 この恵那峡から蛭川村へも絶好のドライブコースで、わずか10分で目的地なのが残念なくらい。

 さて博石館。この辺りは鉱物とみかげ石の一大産地。そこで地場の鉱物ほか世界中の鉱物が展示してあるわけですが、魅力はそれだけではありません。

 巨大な石のアーチをくぐると、まず目に入るのがピラミッド。古代エジプト・クフ王のピラミッドを10分の1に再現したもので高さ14・6m。大理石の地下通路は360mの迷路で、一人ではちょっと勇気がいるほど本格的です。

 広い展示室には一抱えもある黒水晶からトパーズ、オパール、ダイヤモンドの原石がずらり。女性にはこたえられない展示品ですが、男性向けならこっち、博石館ビールでしょうね。数万年を経て浸透した岩盤水を使用した本格ビールを、レストランでグイ。運転無用のジャンボドライブの醍醐味を味わえる瞬間です。博石館にはほかにも手作り結婚式場あり、ギャラリーありと見所いっぱい。第一、建物自体が石造りの壮大なオブジェで、何か別世界へ迷い込んだような、不思議な気分を味わえます。



締めくくりは名物そばと宿場町散策で

 再び広域農道を走って恵那市内へ。食事はJR恵那駅にほど近いめん処「寿々木」で。純国産の玄そばを当日分だけ石臼で挽いた、挽き立て、打ち立て、ゆで立ての3立てが店の売り物。相性のいいとろろ汁とざるそばののど越しを楽しんだあとは、市内散策で腹ごなし。

 駅近くは江戸時代の中山道・大井宿で、街道沿いには歴史を物語る文化財や史跡が点在しています。格式のある本陣の門構え、黒壁造りの旧家、昔ながらの旅篭屋のたたずまい。周辺に和菓子の店が多いのも、情緒満点。大満足の初夏のドライブとなりました。


●今回のコース

 中央自動車道瑞浪インターを下り、国道19号線を北上。恵那市を左折して広域農道を走り蛭川村へ。全行程180キロ。ジャンボタクシーは1時間当たり6840円。また小型貸切バスも用意されているので、お気軽にお問い合わせを。電話052・331・4888(直通)

●瑞浪市化石博物館
午前9時〜午後5時。休館は月曜日(祝日の場合は翌日)。大人200円、小中学生100円。電話0572・68・7710

●地球回廊
入場時間、休館日とも化石博物館と同じ。大人600円、小中学生300円。電話0572・68・9950

●サイエンスワールド
入場時間、休館日とも化石博物館と同じ。入場料は無料。ただし実験材料は実費負担。電話0572・66・1151

●博石館
午前9時〜午後5時。年中無休。大人800円、小人500円。7月6日から3日間は「博石館七夕祭り2001」で、夜の全館ライトアップなど夜間営業も。電話0573・45・2110

●めん処「寿々木」
午前11時〜午後8時。木曜日定休。「とろろざる」はざる(2枚)ととろろ汁のセットで1000円。ほかに天ざる1000円、ざるそば(2枚)800円。