この記事は2001年9月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

名タクズームイン

タクシーの燃料

環境に優しいLPガスは時代の寵児

 環境問題の高まりとともに最近、クリーンな燃料として注目を集めるようになった液化石油ガス(LPGまたはLPガス)。

 東京都の「ディーゼル車NO作戦」をはじめ、国や地方自治体が特にディーゼル車に代わるものとして、LPガス車への転換をバックアップしています。これを受けて生協や運輸会社、また地方自治体のゴミ収集車などで既に、ディーゼル車からLPガス車への転換が進んでいるのはご存じの通り。

 日本では40数年前から、ほとんどのタクシーが燃料にLPガスを使っています。その歴史がLPガスの利点と安全性を実証してきたともいえるでしょう。

 LPガスは石油を精製分離するときの副産物としてできるガスで、炭素数3のプロパンや炭素数4のブタンなどのこと。圧力を加えたり冷却すると簡単に液化するため、この名前がついています。大きな特徴は、

 @排気ガスがクリーンです。完全燃焼するため一酸化炭素(CO)の量が少なく、またガソリンのような鉛化合物や硫黄分などもほとんど含んでないため、排気ガスは極めてきれいです。またエンジンの中に不純物がほとんど残らないため、エンジンの寿命が長く、エンジンオイルも長持ちします。

 A安全性が高い。現在のガス容器になってから、ガス漏れなどの事故は全国でも皆無。法律のもと厳重に管理されているのです。

 Bガソリンに比べて安い。ガソリンの税金が1リットルあたり約53円に対し、LPガスは約10円。つまりリットルあたりの値段はガソリンの半額程度です。

 こんなにいいことづくめなのに、なぜ一般車に普及しないのか、ですって?

 まずスタンドの設備費の高さがあげられます。ガス漏れを防ぐための設備と規制が厳しく設けられ、年2回の検査と4年に1度のタンク検査が義務付けられています。この維持費だけでもハンパじゃありません。このためスタンドが身近なところに少なく、「利便性」に欠けるのが現状なのです。

 またタクシーや運送用の車と違って、LPガス仕様の一般車が生産されてないのも一因でしょう。基本的にはガソリン仕様のエンジンでOKですが、改造が必要なのです。

 環境に優しい燃料に関心のある方、LPガスのスタンドを見たい方は、名タク西部営業基地(西区あし原町)にあるLPガススタンドへどうぞ。ここには4台分の給油設備があり、名タク車両に限らず一般のタクシーなども出入りして、専任の係員がガス充填作業を行なっています。

 営業時間は早朝から深夜まで。深夜から朝方になると営業を終えたタクシーが続々と基地に帰り、トランクに設置されたガスタンクを補充して、次の乗務員に引き継ぎます。

 ガソリンよりも環境に優しいLPガスの名タク車。空気汚染の心配なく、安心してご利用ください。