この記事は2001年9月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

東西タクシー事情

ブルーミング・ツアーズ
代表取締役社長
川崎健三さん
【カンボジア王国プノンペン】

タクシーは全部白タク
料金交渉をお忘れなく!


▲プノンペンのタクシー

 アンコール・ワットで有名なカンボジアはインドシナ半島の王国。首都のプノンペンを訪れたのは7年前でしたが、空港の到着ロビーを出て驚いたのは、「タクシー、タクシー」と連呼するドライバーたちの群れ。到着したばかりの観光客に、壮絶な勧誘攻撃を試みているわけです。

 未知の国へ来て、初めて耳にした現地の言葉が「タクシー!」という絶叫だったのですが、たぶん観光客なら同じ体験をしていることでしょうね。

 もっともそれは過去のお話。今は空港内にタクシーカウンターがあって、そこでタクシーを頼むシステムですから、以前のような攻撃は受けなくて済みそうです。

 ただし日本と違って、こちらのタクシーは全部白タク。タクシー会社が存在しない国なんですから。もちろんメーターも着いていません。ちょっとおじけづくかもしれませんが、空港カウンターにはUS$7と書かれていて、市内までは一律この料金。安心してタクシーに乗り込んでください。

 でもそれ以外、すべて料金は交渉制です。片言の英語ができるドライバーが多いので、交渉は英語で。

 それに路上でいつまで待っていてもタクシーは停まってくれません。利用するときはホテルの前にたむろするドライバーを捕まえること。そこで半日、あるいは1日チャーターというかたちで交渉するわけですね。

 車種やドライバーの人柄?にもよりますが、料金は半日US$15、終日でUS$30が相場。知らないと吹っかけられますから、十分ご注意を。

 と、こう書くと随分不便な街だと思われそうですが、そんなことはありません。

 プノンペンではタクシー代わりのモトドッブ(バイクタクシー)やシクロ(人力の3輪車)が庶民の足。歩いていると1分に1回は必ずバイクタクシーの運転手から声がかかるほど。わずらわしいくらいですが、市内移動にこれほど便利な乗り物もないんです。

 しかも料金はうんとお値打ち。徒歩で20分程度の距離ならせいぜい1000リエル(およそ30円)。もちろんこれも交渉の上で決めます。カンボジアは9割がクメール人ですから、クメール語が少しはできないと、交渉しづらいかもしれません。でも英語ができるバイクタクシーはほとんどが吹っかけてきますから、現地語修得の意欲も湧いてこようというものです。

 人口が100万人ほどのプノンペンは発展途上。メーター制タクシーの登場には、まだまだ時間がかかりそうですね。

●プノンペンのタクシー料金●

 料金は交渉制。全部白タクで、流しタクシーもなく不便だが、庶民の足としてバイクタクシーやシクロが大活躍。タクシーは空港〜市内が約7USドル。バイクタクシーは徒歩20分圏内で1000リエル。1USドルは約3900リエル。1円は約31リエル。