この記事は2001年9月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

小型貸切バス&ジャンボタクシーで行く

ジャンボ1日ドライブ!

標高2600メートルの紅葉パノラマ、名物料理に芸術鑑賞。駒ヶ根高原の秋は魅力いっぱい!

 駒ヶ根高原といえば中央アルプスの玄関口。駒ヶ岳ロープウェイの終点・千畳敷カールは、とりわけ今からはとびきりの紅葉に埋め尽くされます。その絶景を楽しんだあとは、地ビールやソースかつ丼、美術鑑賞で食欲と芸術の秋を満喫。仲間と一緒のジャンボタクシーならドライブ気分が盛り上がること請け合いです。
ロープウェイで気軽に別世界へ

 中央自動車道駒ヶ根インター料金所のすぐ先、県道駒ヶ根公園線を右折。カラマツ林を縫って5分も走れば、そこが菅の台バスセンター。中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイの起点「しらび平」までは一般車両は通行禁止のため、専用バスに乗り換えます。貴重な大自然へと分け入るためのマナーと思えば納得ですね。

 林道を30分、標高1661メートルの「しらび平」駅へ。下界の残暑がウソのようなさわやかさ。ロープウェイはここから950メートルという日本最高の高低差を7分ちょっとで上り切ります。終点の「千畳敷」駅は2611メートル。まさにアルプスの内ぶところ。見上げると、宝剣岳の岩壁が圧倒するように目前に迫り、山岳気分は満点です。

 千畳敷は2万年前の氷河の遺跡だとか。上部の岩肌が氷で削られ、氷河によって運ばれて、巨大なお椀のようなくぼみ(カール)になったもの。観光客にとっては終点ですが、登山者はここが出発点。カラフルなザックを背に、長い列が宝剣岳や木曾駒ヶ岳を目指してゆっくりと進んでいきます。

 この千畳敷の周辺は高山植物の特別保護区。秋ともなるとナナカマド、ウラシマツツジなどが真っ赤に染まり、息を飲むほどの絶景を見せてくれます。見ごろは9月25日過ぎ。この別世界が気軽に味わえるのですから、ロープウェイさまさまですね。


地ビールを味わい、古刹と美術館を巡る

 ロープウェイを下って、再び菅の台バスセンター。千畳敷では必需品だったジャケットを脱ぎ、お隣りの駒ヶ根ファームスへ。ここは平成8年にオープンした特産品の販売施設。農産物からパン、ソーセージ、アイスクリーム、ミルクと多彩ですが、お目当ては、中央アルプスの天然水で作った南信州ビール。 2階のレストランではアルプスヴァイツェンやゴールデンエールなど4種の極上品を味わえます。いずれも咽ごしさわやか、香り高く、まさに高原の味わい。運転知らずのジャンボタクシーならではの楽しみですね。

 駒ヶ根ファームスから車で10分。ほろ酔い気分で訪れたのが光前寺。樹齢数百年という杉の巨木に囲まれた天台宗のお寺ですが、一般にはヒカリゴケの寺として知られています。参道の石垣の隙間からきらきらと洩れる緑色の神秘的な輝き。これを見るだけでも訪れる甲斐がありそう。

 もう一つ、光前寺で有名なのが早太郎伝説。700年前、お寺に飼われていた山犬の早太郎が、助けを乞う声に応じて、遠く静岡県でヒヒ退治をしたというお話。境内には早太郎の像があって、お参りすればペットが長生きするとか。

 寺の隣りは駒ヶ根高原美術館。池田満寿夫、藤原新也、ロダン、ゴヤなど充実したコレクションが鑑賞できますが、見どころはそれだけではありません。とにかく展示室それぞれに趣向がいっぱい。円形あり、中2階あり、部屋の中にさらに小部屋がありと変化に冨み、まるで展示室自体が作品といった感じです。場所柄、ザックをかついだ入場者が目立つのも、都会の施設とは違った味わいで面白いですね。



高原のレストランで名物ソースかつ丼を

 さて、お待ちかねの食事は名物のソースかつ丼を。駒ヶ根には50軒以上もかつ丼の店があるそうですが、今回は美術館にほど近い駒ヶ根高原家族旅行村の「レストランあるぷす」を選びました。

 各種の調味料を調合した秘伝のソースに、揚げたてのロースカツをじっくり浸す。で、アツアツのご飯の上にキャベツを敷き、そのカツを載せれば出来あがり。卵でとじないのが駒ヶ根風で、カツ本来のカリッとした歯ざわりと香ばしさが実においしい。

 窓の外には緑が広がり、木陰にはケビンやオートキャンプのテント。味よし、景色よし、食事が進むのも当然でしょう。

 この家族旅行村では日帰り温泉の「露天こぶしの湯」が10月2日にオープン予定。露天風呂からは南アルプスが一望でき、男女の造りが若干違うため、月に一回の割合で、男女の入れ替えがあります。また軽食・休憩コーナーでは、入浴後にのんびりとくつろげます。ますますジャンボドライブが楽しくなりそうですね。


●今回のコース

中央自動車道駒ヶ根インターから菅の台バスセンター。バス、ロープウェイを乗り継ぎ中央アルプス千畳敷へ。全行程320キロ。ジャンボタクシーは1時間当たり6840円。また小型貸切バスも用意されているので、お気軽にお問い合わせを。
рO52・331・4888(直通)

●中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイ

 11月10日までは午前8時〜午後5時。往復で大人2200円、小人1100円。バス(菅の台〜しらび平)は片道大人800円、小人400円。
рO265・83・3107(中央アルプス観光)

●駒ヶ根ファームス

午前9時〜午後6時(レストランは午前11時〜午後9時)。10月までは無休、11月〜3月は木曜休み。
рO265・81・7700

●駒ヶ根高原美術館

午前9時〜午後6時。年中無休。大人1000円、大・高校生800円、小中学生500円(小中学生は土曜日無料)。
рO265・83・5100

●駒ヶ根高原家族旅行村「レストランあるぷす」

午前9時〜午後6時。無休(ただし12月〜3月は休村)。「ソースかつ丼」950円。「ひれかつ丼定食」(850円)はミニうどんとフルーツ密豆付き。ほかにカルビ、ソーセージ、焼きそばなどのバーベキューセット(1650円)もおすすめ。10月2日オープンの「露天こぶしの湯」は午前10時〜午後9時。大人500円、小人300円で通年営業。
рO265・83・7227