この記事は2001年12月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

名タクズームイン

【お忘れ物】

あなたのケータイは大丈夫?

 携帯電話、傘、カギ、財布、かばん類。今年4月から10月までの半年間で、タクシー車内にあったお忘れ物のトップ5です。

 なかでも携帯電話は686個と、2位の傘297本に大きく水をあけてダントツ。爆発的に広まった平成7、8年ごろから忘れ物の定番だった傘を抜き、以来トップの座をキープしています。

 ちなみにユニークなものは、入れ歯やカツラ、つえ。じゅずや敬老パスなどは、2カ月に1回くらいの割合であります。

 名タクではドライバーが車内でお忘れ物を見つけた場合、直ちに所属基地に連絡を入れ、基地からFAXで配車センターへ。情報はさらに本社総務課に集約。「今降りたタクシーに忘れた!」というお電話があれば、ソク全車に無線を流し、発見と同時にお客さまに連絡。空車であればその足でお届けしています。

 日にちが経ってからのお問い合わせには、総務課で何月何日にどこからどこまでご乗車されたか、忘れ物の特徴は…などを詳しくお伺いし、該当のものを探します。何しろ携帯電話ひとつとっても1日10個近い日もあるため、慎重に慎重を重ねるのです。

 これでピッタリ見つかり、持ち主に戻ればメデタシメデタシなのですが、問題は該当品が見当たらない場合。総務課では、ご乗車された日の乗務員全員の日報1300枚をめくり、それらしいルートを走った乗務員をリストアップして、「この日、こういうものがなかったか」を一人ずつ追跡調査します。特に指輪やイヤリング、カギなどの小さなものは座席マットをめくり、細部の確認作業も。こうした努力が奏功して、返却率は半分近くを誇っています。

 しかし持ち主の見つからない忘れ物もたくさん。財布などの貴重品は直ちに警察に届け、傘などは基地で6カ月保管した後、処分しています。また携帯電話などはメーカーに連絡すると、「紛失届とともに新しいものを買われましたので、捨ててください」と言われることも。豊かな時代を象徴するようですね。

 名タクではお客さまがお降りの際、「お忘れ物はございませんか」と声をかけることを義務付けています。それでもなかなかなくならないのが現状。忘れ物をしないためには、手荷物は必ず自分の左側に置くこと。携帯電話などの小さいものは座席に置かないこと。これだけで随分減るはずですよ。

 さて、あなたの携帯電話は大丈夫ですか?