この記事は2001年12月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

小型貸切バス&ジャンボタクシーで行く

ジャンボ1日ドライブ!

南知多の名所旧跡、
日間賀島の海の幸。
自然、文化、料理を
堪能する半島ドライブ

 杉本美術館、野間大坊など、見所いっぱいの南知多で見逃せないが島巡り。半島先端の師崎から、散歩気分で立ち寄れます。そこで今回は半島の名所を訪ねながら、タコ漁で知られる日間賀島へ。極上のタコを肴にビールをごくり。運転無用のジャンボタクシーならではのぜいたくですね。
杉本画伯の作品と鎌倉時代の建築に酔う

 名古屋高速、知多半島道路を走ればわずか40分で美浜インター。杉本美術館へはインターから、ものの10分で到着です。閑静な林に囲まれた丘陵地。木立の間からは、青い鏡のような伊勢湾が。

 この風景に溶け込むようなシックな建物が同美術館。日本の代表的な洋画家の一人、杉本健吉画伯の作品をじっくりと味わってもらおうと、昭和62年に開館したもの。展示室には、仏教を通して宇宙全体をとらえた金剛界曼陀羅や胎蔵界曼陀羅、そして新平家絵物語屏風などの大作からオブジェ、多彩な陶芸作品まで。その旺盛な創作パワーには圧倒されるほかありません。12月29日までは、第32回杉本健吉代表作品展「深まりゆく秋、そして冬へ 秋・東大寺」と特別企画「椿」を開催中です。

 ところで名タクのボディカラーはエメラルドグリーンとアイボリーホワイトのツートンカラーですが、あのデザインも、実は杉本画伯の手によるもの。そう思うと美術館に一層親しみがわいてくるような気がしますね。

 美術館から国道247号線を南下すると、ほどなく野間大坊。7世紀の天武天皇の時代に草創された古刹で、知多四国八十八ヶ所の札所にもなっています。有名なのは源義朝公の御廟でしょう。かの平治の乱で野間の地に落ち延びた義朝公は、ここで家臣に謀殺されてしまいます。本堂脇の御廟には、その慰霊のために木太刀を献ずる慣わしがあり、奉献すれば願いがかなうと言われています。

 また源頼朝が建立した大門はじめ鐘楼堂など文化財も多く、境内を歩くだけで、気分はまるで鎌倉時代。歴史ファンならぜひ。

高速船に乗り、タコの島・日間賀島へ

 野間大坊からほど近い野間灯台を過ぎれば、快適なシーサイドドライブ。冬の日差しが跳ねる海沿いを30分も走れば、半島の最先端・師崎港。すぐ向こうに浮かぶ日間賀島を眺めながら、早速高速船に乗りこみました。

 師崎から日間賀島までは10分前後で到着ですから、まるで地続きの気軽さですね。

 愛きょうたっぷりのタコのモニュメントの出迎えを受けて、東港で下船。道路を隔ててすぐ向こうはなだらかな丘で、民宿や民家が肩を寄せ合うように建ち並んでいます。

 島の周囲は5・5キロで、自前の足で一周しても1時間ちょい。まずは丘の中腹の日間賀島資料館を訪ねました。林に沿ってひっそりと建つ小ぶりな館内にはタコ漁の変遷をしのばせる道具が展示されています。島とタコの深い関わりが一目瞭然で理解できるというわけですね。

 日間賀島では昔、タコツボではなく、釣り糸でタコを釣っていたそうです。その方が手っ取り早かったほど、タコがいっぱいいた。

 島の安楽寺では元旦に干しダコを供える蛸祭が催されますが、この催事は18世紀から続いているそうです。今も昔もタコの島だったわけですね。

評判どおり絶品の海の幸!

 もちろん今では釣りじゃなく、エサガメと呼ばれるタコツボ漁。地場のタコは上質で、1度食べたら忘れられないほどの味だとか。

 そこで西港前の「乙姫」で、早速タコブツを肴にビールをいただきました。何より大ぶりで、その柔らかさといい、甘みといいさすが評判どおり。イカ、ハマチのさしみに鉢物とワカメ汁の「さしみ定食」もおいしいけれど、とりわけ絶品が自家製のイワノリの佃煮でした。これだけでご飯が何杯でもすすむほど。日間賀名物はタコばかりではないと実感した次第です。

 たっぷり海の幸を堪能して、再び師崎へ。帰路は豊浜の「魚ひろば」へ立ち寄りました。豊浜港は県下一の水揚げ量を誇る漁港。ここでは産地市場を一般に開放しているのが人気の的。生鮮魚介類から干物、せんべいなど加工品まで、呼び込みの声も勇ましく、終日買物客でにぎわっています。

 おいしい料理と生きのいいお土産。楽しさ満点の1日ドライブでした。

●今回のコース

 名古屋高速、知多半島道路を経て美浜インターへ。杉本美術館から国道247号線で野間大坊、師崎港。高速船で日間賀島へ。全行程160キロ。ジャンボタクシーは1時間当たり6840円。また小型貸切バスも用意されているので、お気軽にお問い合わせを。

TEL052・331・4888(直通)

●杉本美術館
午前9時半〜午後4時半。水曜日定休(祝日の場合は翌日休館)。大人900円、高校生400円、中小生300円。
TEL0569・88・5171

●野間大坊(大御堂寺)
知多四国八十八ヶ所50番・51番札所。元旦から6日まで新春大祈祷。
TEL0569・87・0050

●日間賀島資料館
午前9時〜午後4時。水曜休館。入場無料。
TEL0569・68・2388
なお師崎港〜日間賀島の高速船は往復1180円(小人600円)

●「乙姫」
午前11時半〜午後3時(旅館のため夜は宿泊客のみ)。不定休。タコブツ500円。
「さしみ定食」はご飯、みそ汁、鉢物ほかが付いて1000円。乙姫名物「かき揚げ定食」900円もおすすめ。
TEL0569・68・2107

●豊浜「魚ひろば」
午前8時〜午後5時。火曜日定休(祝日は営業)。
TEL0569・65・0483(魚ひろば事務局)