この記事は2002年6月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

東西タクシー事情

ミキトラベル
パリ副支店長
松本 慎治さん
【フランス共和国 パリ】

陽気なタクシードライバーは絶好の観光ガイド


> パリのタクシー

 芸術の都、ファッションの都。その香りにひかれ、今も昔も多くの観光客がパリを訪れます。

 さて、パリといえばセーヌ川。その中流域のシテ島を中心に発達した都会ですが、日本の町並みとの一番の違いといえば、道路でしょうね。碁盤の目ではなく、広場を中心に放射状に延びています。これは19世紀末、ナポレオン3世が行った大規模な都市計画によるもの。中でもド・ゴール広場とコンコルド広場を結ぶ道路が目抜き通り。シャンゼリゼですね。

 パリのとくに中心街は駐車場が少なく、おまけに路上駐車はご法度。タクシーかメトロ(地下鉄)利用が一般的です。大渋滞の朝夕はメトロに限りますが、深夜となると話は別。パリ名物?のスリとか物騒な目に合わないとも限りません。モンマルトルやモンパルナスでお酒を楽しんだあとはタクシーをぜひ。

 基本的に流しのタクシーはありませんから、タクシー乗り場か電話での手配が普通です。でも電話手配は割高で、到着時にすでにメーターが5ユーロを指していることもしばしば。やはり乗り場に行くほうが安上がりです。大きな広場や大通り、メトロや国鉄駅前、ホテル前にはタクシーが並んでいますから、まず心配はありません。

 タクシーは個人経営で、車種もさまざま。プジョー、ルノーの大衆車からワゴン、ベンツの高級車まで走っています。色もそれこそ色々で、屋根にTAXI PARISIENと表示がなければ一般車と区別がつきません。ドライバーは治安の問題からか女性はまず見かけません。地方出身か移民の人が多いようです。パリには第2次大戦以降、旧植民地からの移民が激増していますから。

 でも彼らは陽気でおしゃべり好き。おすすめの観光ポイントやおいしい料理店を紹介してくれますから、観光客には絶好のガイドといえるかもしれません。料金もメーター制ですから、安心してご利用ください。

 ただし行く先を告げるのはちょっと苦労するかもしれませんね。とくにフランス語のRの発音は日本人にとって苦手中の苦手。Rが2つも3つも混じった地名だと、まず通じません。あらかじめメモ書きして、ドライバー氏に見せるのが得策でしょう。

 パリの人口は220万人ほど。名古屋とほぼ同じです。中心街なら自前の足で十分の範囲です。ぜひお気軽に花の都見物を楽しんでください。

●パリのタクシー料金 基本料金は2・2ユーロ(1ユーロは約118円)。市内平日(午前7時〜午後7時)は1キロ当たり0・6ユーロ加算。夜間や市内日曜祝日、郊外平日は同1ユーロ加算。郊外夜間、郊外日曜祝日は同1・2ユーロ加算。細かな別途料金がある。チップは料金の10%が必要。都心のオペラ座から空港まで50分前後で45ユーロほど。