この記事は2002年6月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

趣味人

フィギュアで鍛えた精神力は今も健在!

坂井 統さん(南部第二営業基地)

 名タクのベテラン営業係(乗務員)、酒井さん(55歳)の趣味はフィ ギュアスケート。伊藤みどりさんのコーチとして有名な山田満知子さんの一番弟子で もあります。

 「始めたのは高一の時。本当は野球部に入りたかったのですが、名門ゆえ、私の技 術では万年球拾いに終わりそうだと思い、スケート部にしたんです」。

 最初は基礎の前へ進む練習ばかり。でも次のクロス、バックはなかなか思うようにいきません。先輩に手本を見せてもらったものの、両足は宙に舞い、後頭部から落下し て、気がつけばベッドの上。これがフィギュアスケートの出発点でした…と、当時の 様子を語ってくれる酒井さん。

 大会は寒い地方ばかりで、「なんで寒い時に、わざわざこんな寒いところに来ない かんのだ」と思ったことも。当時の競技会は今と違い、屋外リンクがほとんど。ある 年など真冬なのに気温が20度もある中で競技し、その一週間後はマイナス20度の 中で演技をしたこともあるそうです。

 山田コーチと出会ったのは、そんな高校二年の時。コーチがプロのインストラク ターになって最初に指導したのが酒井さんだったのです。「コーチのおかげで少しず つレベルアップし、成績はともかく、国体、インターハイ、インカレ、全日本など、 いろいろな大会に出場できました」。

 大学を含め7年間競技生活を続け、競技から引退した後は、ボランティアでスケー ト連盟が主催するバッチテストの試験官や、各種大会の審判員もつとめてきました。

 「大会は主に土日に開催されるでしょう。次第に仕事との両立が難しくなってき て、何年か前から連盟のお手伝いもできなくなってしまいました」と、残念そうな酒 井さん。でも競技を見るのは大好きで、今でも選手の演技はテレビを通して採点して います。

 競技生活では辛いことばかりが思い出されますが、学んだことは「継続は力なり」 ということ。何事も止めることは簡単ですが、やり続けることが大切だという酒井さ ん。この精神は今の仕事にも生かされていて、毎日が一生懸命。「努力することに意 義がある」と話してくれました。