この記事は2000年3月のものです。現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。
甘い潮風、菜めし田楽に
イチゴ狩り。
風景、文化、味の出会いに
心が躍る三河湾の春!
光る風、光る波頭。三河湾のシンボル「竹島」から眺める海は、浮き立つような春の匂いがあふれています。歴史名高い小島を起点にマリンリゾートエリアを一巡り。帰りはもぎたてのイチゴで気分もすっきり。疲れ知らずのドライブは、運転手つきのジャンボタクシーならではですね。 | ![]() |
オレンジロードから藤原俊成ゆかりの竹島へ 東名高速道路の音羽蒲郡インターを下りて、そのまま三河湾オレンジロードを一直線。その名の通り両サイドはミカンの植え込みの帯。ドライブ気分を一気に盛り上げてくれます。果樹園が途切れ、蒲郡市外に入るとほどなく、ウインドー越しに緑の小島が。ここまでインターからわずか20分。竹島園地のアーチをくぐると目の前に三河湾の海がひらけるという寸法です。 竹島は海岸から400メートル沖に浮かぶ、周囲およそ680メートルほどの小島。形は小粒でも由来は古い。平安末期の1145年、歌人で名高い藤原定家の父、俊成(しゅんぜい)が三河の国司としてこの地に赴任したときにさかのぼります。何でもが蒲郡の開発成就を願って、俊成が琵琶湖の竹生島から弁財天の分霊を迎えて竹島に祭ったのが歴史の始まり。その神社が竹島弁天(八百富神社)ですが、名高いのはそれだけじゃありません。島一帯に238種の暖地性植物が繁茂し、国の天然記念物に指定されているのも魅力の一つ。 海岸と竹島を結ぶ橋を渡って、まずは参拝。春の日差しが海面を跳ね、頭上ではカモメが乱舞。エメラルドのように艶やかな海を眺めるだけでも後ずれた甲斐があるというものでしょう。潮干狩りの季節にはこの橋も混雑間違いなし。情緒を味わうなら、この時期が一番のお勧めです。 |
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文学をしみじみ味わい、幻想的な竜宮城を見物
これだけの景勝だけに、海岸沿いが保養地として親しまれてきたのはもっともです。大正元年に料理旅館「常盤館」が、昭和9年に「蒲郡ホテル」(現蒲郡プリンスホテル)が滝信四郎氏(名古屋のタキヒョー創業者)にやって建てられ、志賀直哉、谷崎潤一郎ら多くの文人に愛されたとか。常盤館跡地にあるのが「海辺の文学記念館」。常盤館を作品に登場させた作家たちの紹介のほか、蒲郡絵手紙賞の入賞作品などが展示されています。館内の座敷に上がると、開け放たれた障子の向こうに、ふっくと緑の竹島が。縁側に座り込んで、一句ひねりたくなりますね。 |
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田楽、イチゴと「春」をほおばり、ハイテク施設で古代を学ぶ
海沿いのマリンロードを西へ数分走れば「生命の海の科学館」。その前に腹ごしらえを。「魚介料理ならホテル竹島で」と勧められたが、あいにく満席。菜めし田楽の「ままや」に立ち寄りました。季節は春。焼けた八丁味噌の香ばしさと菜の花の香りには逆らえません。菜めし田楽に、野菜の白和え、日本そば、吸い物の「おきまり」は、それぞれが絶品。まるでミニ懐石の味わいでした。しもたや風の店構えは、うっかり通り過ぎそうですが、この味は見逃せません。 |
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●今回のコース
東名高速道路の音羽蒲郡インターを下り、オレンジロードで竹島へ。周辺を巡り、帰路は再び同インター。めぼしい施設は竹島に集まっているので、竹島に集まっているので、竹島駐車場に駐車して歩いて回ってもOK。全工程130キロ。ジャンボタクシーはおおよそ1時間あたり7100円。また小型貸切バスもごいざいますのでお気軽にお問い合わせを。 貸切バス・ジャンボタクシー 052(331)4888 ●海辺の文学記念館 |